令和7年 年頭所感

一般社団法人東京都LPガススタンド協会
会長 山 田 能 成
新年あけましておめでとうございます。
今年の干支は「きのとみ乙巳」で、努力を重ね物事を安定させることができるとされています。
昨今は、コロナに加えてインフルエンザやマイコプラズマ肺炎が各地で猛威をふるっており、まだまだ感染症予防には注意が必要な状況です。
政府は、令和6年度のGDPが実質1.3%程度、名目3.0%程度成長し、消費者物価も2.5%上昇すると見込んでいますが、なかなか景気回復の実感が得られません。
世界に目を転じれば、ウクライナ侵攻、パレスチナ問題が依然として解決を見ることがなく各地で紛争が激化しており、石油やLPガスの地政学的リスクは高まるばかりです。アメリカでは大統領が交代し、隣国の韓国では「非常戒厳」が宣布され、今後わが国の経済が少なからず影響を受けることは間違いありません。
近年、全国でのLPガス車登録台数は徐々に減少していますが、燃費の良いJPNタクシーは1年間で約1万台増加しており、都内ではLPガスを燃料とするタクシーに占めるシェアが50%を超えました。関東圏のタクシー稼働率は向上しているにも関わらず、販売数量が減少して困難なLPGスタンド経営が続いている状況となっています。
本年、当協会はカーボンニュートラル社会への対応とオートガス供給インフラを維持するため、次の課題に積極的に取り組んでまいります。
・水素ステーションを併設したマルチステーション化への取り組み
・令和7年度概算要求されている補助金を活用したLPGスススタンド設備の改善や維持等を積極的に推進し、社会インフラとして存続し続けることを目指します。
・他県のオートガスのプロパン化の動きと、都内での対応に関する諸問題の検討。
・最大の課題である「保安」に関しては、近年増加している充てんホースの引張り事故再発防止のために、ハード面とソフト面(事故調査・ヒューマンエラー防止対策・保安査察等)の両面から対策を提案し、自主保安体制を確立してまいります。
更に、昨年の元旦に発生した能登地震や各地の豪雨水害等の大規模災害に対しては、BCPや緊急連絡体制等の定期的な見直しや訓練を促します。
「巳」のように何度も脱皮して、再生と変化を繰り返しながら成長し、災害時においても地域から頼られるLPガススタンドを目指して様々な取り組みを進めましょう。
本年が皆様にとってすばらしい一年となることを祈念致し、新年の挨拶とさせていただきます。